先日行ったインストラクター勉強会でプレゼンターだったイージー・ヨガの前原社長が言ったことが忘れられません。「インストラクターは自分のセルフケア、つまりカラダをまず大事にすることが大切。今の50代の多くのスポーツインストラクターは、カラダの痛みや怪我で苦しんでいる。」
私もインストラクターとして思い当たるところがあるのですが、どうしても自分のことは後回しになりがちなのが指導者です。
「カラダは動かしているし、体力はヨガでつけている」、とそれなりに変な自信があるインストラクターさんはなおさら曲者です。実際には、長年のカラダの使い方の癖が高じて、色んな故障がでてきたり、人前に出ることで気も使っているため、気は心、こころはカラダ、でカラダを壊す人も多いのです。
ヨガの世界では、自己犠牲が尊ばれ、謙遜の美徳があり、インストラクターは「疲れた」とか「落ち込んだ」とか「体調が悪い」などとは、いいにくい環境なのもつらいところです。
私自身も、インストラクターになりたての頃は、不安、期待、いつもの癖で、全力で取り組むことを思うあまり、気づくとカラダの痛み、精神的な不安からくる腰痛や胃痛、肩こり、頭痛に襲われてました。
生徒さんの前では、とても楽しく元気なのに、レッスンがない日は、ぐったり。ヨガのトレーニングに行くと、不思議に持ち直す、そんなこともありました。
現実には、自分が整っている時にはじめて、指導やサポートの質を高めることができるのであり、体調が悪くなってしまうと、自分も他の人も不幸な関係とサイクルに入ってしまいます。
飛行機で非常時には、「まず自分の酸素マスクをしてから子供にマスクをすること」というアナウンスが必ずされますが、自分を救えないと人は助けられないのです。
まず自分が心地よく快適であり、自分を整えてから相手にのぞむ、という癖をつけておくことが、長くインストラクターとして経験を積み、その結果、いいインストラクターとして成長していくコツなのだと、最近思います。
そして、生徒さんや相手の状態に影響されずただそこにいることができれば、自然に「いたわり」「優しさ」「こころよさ」がお互いに感じられるようになるものなのだと思います。
毎日ひとつづつ、余計なことをやめてアーサナをとる、日々の過ごし方、時間の使い方を変えて、自分をいたわってあげる時間を作る、そうすると必ずもっと大きなことが見えてくるものだな、と最近感じています。
2013
12Sep