ヨガのインストラクターの腕のみせどころとは、カラダの動きを言葉を使ってわかりやすく伝える、ことです。クラスでカラダを動かしながら、短い時間で伝えるところはきっちり伝える、カラダを気持ちよく、安全に動かしてもらうにはいくつかのコツがあります。
以前の記事にも書いたことがありますが、理解しておくといいポイントの一つは、「肯定形でカラダにはなしかけよう」ということです。
今、通っている学校(Body Chance)でもよく例に使われる表現を一つご紹介します。
「ピンクの象さんを、頭の中で思い浮かべないで下さい。」と、自分に言ってみた時、すでに、あなたの頭には、しっかりと、ピンクの象の映像が浮かんでいるはずです!
でも、「青い鳥を思い浮かべて下さい。」と言うと、ひと時、象さんのことは忘れることができます。
つまり、自分に対しても人に対しても、同じことを伝えるのにも肯定形で表現してあげることでカラダは動くことができるのです。否定形で語ると、カラダはまず肯定形を理解してからどうするべきか新しい指令を待つので、結果として「固まる」現象がおこりやすいのです。
原理的には反射神経を含むカラダを動かす方の脳の伝達機能より、言語を司る脳の方が新しいので、「非定型」のようなものを理解しないことがその原因となっているところです。
何かやっていることを止めるためには、否定する言葉を使うより、肯定形の代替案を出してあげる方が、すんなりカラダが動きます。
「肩を上げないで」「がんばらないで」「緊張しないで」「足をぐらつかせないで」「肩甲骨を寄せないで」などの言葉はわかりにくく、結果として、生徒さんの動きが緊張して固まり、アーサナが取りにくくなったりします。
「指先、目線からリードして」「足の指は広げて床について」「深く呼吸して」「右あし前に」「股関節から前屈」「肩は楽に自由に動く」など、動作や向かっている方向性が明確な方が、理解しやすいことは覚えておくといいかも知れません。
10月14日のワークショップでは、こういった心理学的なカラダとのコミュニケーションの取り方もお話する予定ですので、是非、お楽しみに♪
2013
21Sep