ヨガのクラスで「肩を下げなさい」と言われるのはどんな時でしょうか。
そもそも
「どのように肩を上げているか」を理解して、上げている状態をやめる必要があります。
「肩が上がっている」のは「肩を上げる筋肉が頑張っている」状態です。
肩を上げる筋肉とは、上部僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋部分ですが、このあたりは、頭から首にかけて、精神的に緊張したり、「頑張ってやろう」と思った時にスイッチが入りやすい筋肉です。
肩を上げる筋肉群が頑張って働いている時に、肩を下げる筋肉(下部僧帽筋、下部前鋸筋)を働かすと、別々の筋肉が、体の中で上下に互いに頑張っていることになります。
よく「アイソメトリック運動は筋肉を鍛え、体にいい」なんていいますが、それは静止している状態のことで、この背中の筋肉全体を硬直させたような形で、更にヨガのアーサナ(ポーズ)のように動いていくとどうなるか、、
僧帽筋という背中の3分の2くらいを占める筋肉が働いていて固くなっている状態で、手を上げたり腕や脚を動かそうとすると、動作に必要な筋肉が働きが邪魔されるので、当然、次のアーサナがとりにくくなります。
例えば、首のあたりを緊張させて肩を一旦上げてから、更に肩を引き下ろして、ビラバドラアーサナ1(戦士のポーズ)をとろうとすると、手は上げにくく、足も開きにくくなることでしょう。
そもそもカラダ中の筋肉は最終的に軸を中心につながっているのですから。
では、気を取り直して、「肩は多少上がってもいいから、力を抜いていこう!」と、最初から頭はふわふわと楽に、手も指先から自然にあげていくと、どうでしょうか。
背中の緊張もなく、足も軽く開いたりします。この間もスタジオにいらした方が「本当だ!」と目を丸くして、足が軽くばっといつもより開いたのでびっくりされていました。
そして不必要な首の緊張と押し下げがないと、結果として肩が上がったりは、しなくなることに気付くはず!です。
ヨーガ・スートラを書いたパタンジャリによれば、本来は自然な状態、『スティラ・スッカ(ム)』安定していて快適である状態で行うことを目指していることは以前の記事にも書いたとおりです。
その精神は、こんなところにも表れていて、実は無理に「肩を下げる」より、むしろ「肩を上げることをやめる」だけの方が、ずっとカラダが上手に使えるのです。
「肩を上げることをやめる」ということは、つまり不必要な緊張のない状態、こころの安定した静かな状態を保たなくてはならなくなる訳です。
このあたりに、ヨガのカラダとこころのつながり、運動でありながら精神性が重要な理由が表れてきますね。
スタジオで試してみると、とっても違いが分かりますよ!
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2013
14Nov