指導をしていると、生徒さんに手で指導することはよくあることです。
ヨガでアジャストとか、アシストとか言われている方法を、ある時まで、私も習ったとおりに型どおりやっていました。
でも、BodyChanceに通いだし、全く違う本当の意味で、自分のカラダを自由にする方向性を教えてくれる先生のタッチに出会い、すっかり自分がやっていることが、信用できなくなってしまいました。
いつ、どのように生徒さんに触れていいのか、迷うようになってしまったのです。
自分の緊張が人にも伝わり、自分のカラダの使い方、緊張すら影響しているなどとは以前は思いもよらなかったことだったからです。
ヨガのレッスンでは毎日のように生徒さんを手で指導しなくてはならない場面があります。
悩んで、ある時、師匠のケン先生に相談しました。
「早速やってみてはいかがでしょう」
ということになり、模擬レッスンをしました。
その時、ケン先生が教えてくれたのは、生徒さんに伝えたいことを明確にすることだけでした。
そして、自分を信じて、その自分が伝えたいことに、生徒さんを招く、ただ発信する、だけと言う方法でした。
どのように受け止めるか、という部分まで先生は、コントロールすることはできないからです。
指導する方ができることはシンプルにメッセージを発信することだけ。
それを忘れて、自分が責任を持てる範囲を超えた相手の行動や感情をコントロールしようとすると、
カラダはできないことに反応して、固まります。
不思議なことに自分のカラダとこころの状態だけに集中すると、自ずと教えたかったことも、すっと生徒さんに
自然に伝わりました。
模擬レッスンに付き合ってくれた生徒さんは、ただ私が伝えたいことだけを考え、ご招待した時に大きく変わりました。
不思議なことに、生徒さん本人は、触れられたことすら、意識になかったようです。
そのレッスンで私はやっとわかりました。
教えるということは、別に相手を引っ張ることでも、変えようとすることでもない。
ただメッセージを発することだけなのだと。
そして、触れることも教えるj方法全体の一部でしかなく、その時の自分の判断を信頼することで、
触れる指導をするのか、それとも言葉を使ったり他の方法をとるのか、
自然に一番いい結論が湧き出てくるものなのです。
レッスンのあと、ケン先生が言ってくれました。
「もっと自信をもってもいいんだよ。」
その言葉は、自分をどんどん追い込んでいた私に、とてに深く、暖かく優しく染み入ったのでした。
2014
06Sep