久しぶりにヨガ呼吸と、呼吸の仕組み、についてフルート奏者の方にお話ししました。
「呼吸筋」とは、どこ?でしょうか。
なんとなく胸やお腹まわりの筋肉、
を想像する人も多いと思います。
ウィキペディアをみると、
「横隔膜」など知られた筋肉
以外にも、
(内肋間筋、外肋間筋、腹直筋、
内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋)など、
お腹だけでなく、肋骨を動かす、
背中側にも回る筋肉がでてきます。
上に書いた筋肉の一部は背部で
腕を動かす筋肉でもある広背筋、僧帽筋などと
接触していて、
背中、腕の使い方も、呼吸に関係しています。
そして、首のあたりまでつながっている筋肉
(胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋)
も呼吸筋の仲間です。
横隔膜が腰椎に一部付着することから、
腸腰筋など股関節、脚を動かす大きな筋肉、
つまり脚の動きも、呼吸につながっています。
ヨガでは時々「足で呼吸して!」
という先生がいますが、
わかりにくいな、とおもう一方、
全く間違いでもないと言えます。
下の方にいくと、
普通はあまり意識に上らないお腹の底、
骨盤底筋も呼吸では動きます。
「骨盤底を意識して!使って!」
というヨガの指導も聞きますが、
本当は、呼吸に使うというより、
自然に「使われる筋肉」です。
内臓も含めて、身体には色んな骨と筋肉がある中、
上から下のように円筒に空気の流を自然に使うには、
間に余計な邪魔な力が入らない方が、
上手くいきます。
ヨガの生徒さんののレッスン、
そして、自分の体験から言うと、
ヨガ呼吸でも、骨盤底筋が
自然に意識できるようになるには、
しばらく時間がかかることが多いです。
初心者のヨガ呼吸でよく見るのが、
首や腕を固めて、上部胸骨の辺りだけで
「吸おう」「吸おう」としてしまうこと。
身体を固めながら、
吸うことだけ続けようとしても
ますます吸えなくなって苦しくなります。
体の動きはますます悪くなる、
あせる、
つらい、苦しい、
悪循環です。
ヨガでも演奏でも、
それは同じだと思います。
だから、ヨガでは、
まずは、「吸う」ことよりは、
ゆっくりと力を抜いて自然に吐くことを
先に学びます。
ヨガ呼吸は
自分の全身の動きを見る
バロメーターでもあり、
なめらかに動かす道具でもあり、
呼吸することそのものが全身を使う
自然な運動でもあります。
ヨガの目的そのものが、生命のもと、
とも言われるプラーナヤーマ(呼吸)を全身に
通してあげること。
だから「呼吸を制することは、心を制すること」
と言うのだと思います。
「もっと〇〇したい!」
という欲の方が先に出ると、
まず、呼吸が乱れ、
なぜかヨガでは体が動かず、演奏も上手くはいかない。
普段の生活でも同じようなことを経験するはずです。
(アレクサンダー・テクニーク)では、
この結果を先に求めてしまうことを、「end gaining」と呼んでいます。)
ヨガでも演奏練習でも
「吸えない!」「呼吸が浅くなっている」と思ったら、
「あくび」をしてみる、
まず、頑張ることをあきらめて、
うーん、と、伸びをする、
と、身体はちゃんと呼吸を思い出します。
もともと呼吸は生命体の自然の機能として備わっていて、
生きている人についている完璧な装置なのですから♪
恐怖や不安がなくなり、
レッスンが楽しくなってくると、
いつの間にか骨盤底まで使えて呼吸している、
そんな練習の積み重ねの進歩が、
ヨガ練習の良さです。
アーサナ(ポーズ)を無理なく深めることで、
普段忘れていたカラダ部位、全身が、
呼び覚まされ、使えるようになり、結果
自然に呼吸が深まる、
体がほぐれることで、呼吸が自然と深まって、
感覚がよびさまされ、
体感する楽しみが増える、
そのものがヨガ、とも言えます。
まだまだ呼吸筋には、皆さんにお伝えしたい秘密がいっぱい♪