キャメルポーズ、マツヤーサナ、カポタ・アーサナなどの後屈は、
とても効能の高いアーサナとして知られています。
日常生活では意識して開くことが少ない、
胸の辺りを大きく開くことで交感神経が刺激され、心身が活性化され、
呼吸がラクになり、解放感が味わえるのもいいところです。
ただ「後屈が苦手」な方はとても多いですね。
私も頸椎ヘルニアを患て以来、長いこと後屈をするとき痛みがあり、
恐怖心がなかなか消えませんでした。
そんな私も、ヨガのやり方、特に脊椎のイメージを変えていったことで、
今では何も痛みも恐怖心もなく、後屈できるようになりました!
まずは後屈のためにありがちな、動きと身体の誤解をといていきましょう。
1.頭のイメージをする
後屈はまず頭、そして軸骨格から動いていく動きですが、
その先端にあたる「頭頂」のイメージはありますか。
頭頂を実際より低くイメージをしている人も多く、実はこのイメージの誤差が
パフォーマンスを落とす原因になります。
後屈は軸骨格の動きが重要ですが、動きをリードする頭頂を、
自分で一度触ってみましょう。
額からどのくらい高さがあるか、手で測ってみて正確なイメージをまず掴みましょう。
2、脊椎は意外と長い
上手に後屈するときに、軸骨格の長さのイメージが短くなっていませんか?
脊椎の始まり、つまり頭の底から後ろに自然な回転が起こると後屈はスムーズにできますが、
は頭の位置的な誤解がアーサナの邪魔をしていることがしばしばあります。
頭の底は、大体目のあたり、両方の耳の穴をつなげた線のあたりにあります。
後屈するときは、頭の底、首が動く一番高い位置をピボットポイントとして意識しながら、
目線を少しづつ上げてみます。
無理に回すではなく、自然に回るところです。
後ろにすぐ倒れたくなりますが焦らずに
繊細に動いていきましょう。
(目線を使ってリードすることも有効です!)
3.「首」より脊椎全体を思う ~部分より全身で動く~
「首を守りながら後屈して」というインストラクションも聞きますが、
これは実は逆効果になることが多いです。
というのは、そもそも「首」は脊椎の一部。
後屈は「首」だけでなく、脊椎全体が一緒に動くことで完成するので、
首だけ意識することがかえって全体の動きを悪くすることが多いのです。
また「守ろう」とすることが、首だけを固める結果になりがちです。
身体のある部分に集中しすぎてしまうことが、全身の動きの邪魔になる傾向があります。
首だけを意識するより、背骨全体、先は仙骨までのびていきましょう。
4.後屈は軸運動。手や腕で邪魔をしていませんか
腕の筋肉は背中の広範囲につながっているので、
肩や腕を固めて緊張させたままアーサナに入ろうとすると、
軸の動きが阻害されることがあります。
試しに前に腕を組んで後屈してみましょう。
こちらの方がやりやすい時は、腕が実際に邪魔をしていた可能性があります。
ポーズを始める前に、自由に動けるように、
繊細に動かしてみることも効果的です。
5.動きの方向を思う ~頭は股関節から前に上に動く~
後屈をするとき、「怖い」「ケガするかな?」などと、
実際の動く方向性より結果を気にして、身体のどこが、
どちらの方向にうごいていくか、あまり意識が言っていないことが実は多いです。
後屈に必要な大きな関節は何処か?
実は、あしと関係する股関節が動きに参加することで、あしで土台を支えることができ、
その分、上半身はラクに重力を使って後方に伸びていくことが可能になります。
(後屈のあしと股関節については、また詳しく解説しますので、お楽しみに!)
そして、最後に「できる」と信じることも大切です。
重力があって、あしがちゃんと支えてくれれば、後屈はだれでもできる。
「失敗してもいいから、丁寧に道のりを楽しもう」と、
実験を楽しむと後屈の幅もカラダの動きも変わります。
また、後屈から戻ってくるときにも、ポイントは同じ!
頭頂と頭の位置、回転する軸のところ、丁寧に味わってやってみましょうね。
無理なく自然で美しい本物のスキルを身につけましょう!
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