先月は海外から一時帰国した
欧州で活躍中のバイオリニストさんが、
何回かレッスンに来て下さいました。
「繊細で細い音を、震えないように演奏したい」
ということだったので、
ダウンボウに切り替えるところの腕の使い方などを
丁寧に見ていきました。
小さな音だと思うと、身体をかがめて小さくする癖があったので、
そこで呼吸しながら、股関節も含めて軸を使った動きをすることを練習してもらうと
かなり苦しさややりずらさは改善したようでした。
次の回では、今度は「フレーズ自体は難しくなくても、
急にソロになると思うと緊張する」、
という課題が出てきました。
「こわい」「どうしよう」
と思うとき、
それをなかったことにすると、
ますます緊張してくるものです。
そこで「怖い気持ちをそのまま歌ってみてはどうだろう?」
と提案してみました。
すると、急に繊細で感情豊なバイオリンの音が響き渡りました。
感情は起こってくるものでエネルギーでもあります。
たとえ、怖い、つらい、などそれがネガティブなものであったとしても、その感情を認めることで、それをパワーとして演奏に生かすことができることがよくわかりました。
どんなことが起こっても(そして本番は予想しないことが起こる場所です)、本番では、使えるすべてを使う、そんな気持ちも大切だと思いました。
さらに、役立つエクササイズについては、また次回、書いていきますね。続きをお楽しみに!