もの心ついてからずっと頭痛もちだった私は、
ずっと自分のバランスのとり方に苦しんでいたように思う。
オフにやっと時間をとって休むと、しばしば頭痛におそわれ、
ひどい頭痛で寝床でのたうち回りながら吐いているとき、
それでも、ちょっとほっとしている自分がいた。
「やっと一人でじっとしていられる」
「お休みを自分に上げられる」
それは、今思えば、常に
何かをしていなくてはいけない、
何者かにならなくてはならない、
という一種の脅迫観念に追われていたから、
なのかもしれない。
人には、他の人といる時間の疲れを
いやすために充電で一人でいる外向型の人と、
一人でいる時間を充実させるために、
みんなと居る人といる内向型の人といるという。
私は明らかに外向型だが、
どちらにしても、その背後にあるのは、
人に認められて、初めて自分が充実する、
そんな人の性なのだと思う。
アレクサンダー・テクニークを学んで一番、
私が助かったのは
「何者にならなくてもいい。 ただわたしであるだけでいい幸せ。」
が実感できるようになったことだ。
人に認められるために、
常に気を使っていると、
自分のバランスではなく、
ひとに人生を預けることになる。
その度に勘定は揺らぎ、
バランスをときに失う。
それがカラダの軸の使い方を学び、
ゆらいでも転んでも、それも自分であり、
失敗してもいい、とわかった時に、
ふと幸せが訪れるようになった。
いつだって、私のままでいいていいのだ。