先日、
「曲の出だしのところがいつも緊張する」
というトランペット奏者さんとレッスンをしました。
観察してみると、楽器を口元に持ってきてから、
お腹に力を入れ、楽器を持ち上げる時に、
少し胸から腕を前に出すような動きが見えます。
呼吸に必要な動きが、上体が少し後ろに反っていることで、
やや邪魔されている様子が見えたので、
新しいやり方でのウオームアップを提案しました。
それは、新しいウオームアップというより、
「これから吹くぞ!」と思うとき、楽器を持ち上げるために
腕を前に上げてくる、その思いを、全身を使う動きに乗せてしまう方法です。
やるぞ!と思った時に、この生徒さんの場合は
アンブッシュアや肋骨あたりでは準備する動きが始まりましたが、
「しばしば緊張する」と感じる時には、ある一部だけが動き出していて
他はまだ準備ができていないようなことがよくあります。
そこで、「やるぞ!」という意識を、もっと体の下から上まで全部、
特に、あしや股関節を少し意識的に使って、楽器を持ち上げ、
腕、ひじ、わきなどの関節を使いながら、前に持ち上げる動きに乗せてもらったのです。
いわば部分で動いていたものを、全身のウオームアップに仕立て直したのでした。
「どうでしょう?』と生徒さんに聞いてみると
「音が響くようになったし、何より心が落ち着きました。」
と、この時はうまくいったようです。
これは、イチローがバッターに立つときに同じ動きをすることや
弓道をやる人が、弓をひくまでに一連の動きがあるように、
理屈に合った動きの順番を考えて作るウオームアップです。
緊張するときは、同じような動きのパターンに陥っていることが多いので、
そこから抜けるために、目的にあった動きの型を、
ウオームアップとして完成させることができます。
いつもの楽器を持ち上げたり、出したり、ステージにでる動きを、ヨガをするように、
意識的に呼吸に合わせて必要な動きを全身の動きの型として作りこんでいくのです。
時間もかからないし、ちょっとした一瞬が自分だけの特別な準備時間になる方法です。
やりたい動きが分析できれば完成!
本番で、120%の力を発揮するために♩
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