重心に迷うヨギー達
ヨガや太極拳で、よく、
「重心を意識して」
という言葉を耳にします。
そしてヨガの生徒さん達から
「上手くできない」「どこかよくわからない」
としばしば質問されるのがも、この「重心」です。
重心の物理法則に従う
ではその意味は?というと、ウィキペディアや、辞書では、
だいたい3つのことを指しているようです。
1. 物体の各部に働く重力をただ一つの力で代表させるとき、
それが作用する点。質量中心。
2. 数学で、図形上に一様に質量を分布させたときの質量中心。
三角形では頂点と各対辺との中点を結ぶ3本の線分の交点。
3.物事の中心となる点。均衡を保つはたらきをするもの。
どれも数学的、物理的概念だとすると、
ヨガでよく使う意識の集中、ある特定位置に固定した概念は
本当に役立つのでしょうか?
ちょっと考えて見た方がいいと思うのです。
というのは重力は、
体全体と地球の重力との関係、
人が常に動いている中で、物理の中で自然に存在するもので、
動きを伴うヨガにおいて、
特定の場所を指している訳ではないからです。
物理法則2 一番上にある「頭」が重心に影響する
高いところから引力に任せれば、
どこにあっても自然に落ちる。
そして、頭は5キロもあるから、
それが自然にあるところにあれば、
重心はちゃんと一番下にある、
重力は立っていれば基本的に
足にかかります。
むしろ、それがわからなくなるのは、
ヨガの動きには必要のない
どこかを、余計に引っ張ったり、
お腹や背中に力を入れるときではないでしょうか。
重心の物理法則3 余計な意識を手放す
重心は探さなくても、ただあるもの。なのです。
すでにそこにあるものを探そうとすると、
余計なことをし出し、体は迷って固まります。
ただ体のある力を使えば、自然とあるもの。
それ使って、自然に立つことができれば、
自然につくところに足はつき、体は安定して動ける状態になる。
まさに、『ヨーガ・スートラ』
スティラ・スカムな状態になります。
(スティラとは「安定している状態」、スカムとは「快適な状態」、
アーサナムとは「姿勢、アーサナ」)
ただ自然に立つことができれば、そして呼吸ができていれば、
それはもうヨガなのではないでしょうか。
快適なヨガは動きの中にあります。
いらない緊張を手放す練習をアレクサンダー・テクニークで学ぶと、
さらに快適なあなたのヨガが、きっと見つかりますよ♪
この記事を書いた人:
アレクサンダー・テクニーク教師/ヨガ・コーチングSOL代表
楠道子(くすのき みちこ)
アレクサンダー・テクニーク教師/ ヨガ&ビジネスコーチ
痛みや不安、緊張さえも根こそぎ取り去るアレクサンダー・テクニーク教師として、
ヨガの指導者、音楽家、ビジネスパーソンの活躍を応援しています。
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